【聖書の終末預言㉗】イスラエルと聖書預言 ⑤ 現代: 世界離散「なぜ、ユダヤ人はアメリカに多いのか?」スピルバーグ、マイクザッガーバーグ…(レビ26:33, エゼキエル36:17-20)

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はじめに

今日は、イスラエルについての聖書預言「ユダヤ民族の世界離散」について説明します。世界に、「ユダヤ人」は1360万人以上います。1番多いのが、1948年に建国されたイスラエルという国に570万人くらい住んでいます。次に多い国を皆さんご存知でしょうか?


そうです。アメリカです。530万人くらい住んでいます(2010年の統計)。アメリカに住んでいるアメリカ系ユダヤ人の著名人でいえば・・・

ジュラシックパークで有名な映画監督のスピルバーグ。

Googleの設立者ラリー・ペイジ。

FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ。

他にもたくさんいます。

ユダヤ人のルーツを辿っていけば、イスラエルという国にたどり着きます。イスラエルは1948年に生まれた全く新しい国ではなく、聖書に出てくるほど昔からある中東の国です。新しく国ができたというより、国として復活したと見た方がいいかもしれません。



では、なぜ、この中東の国に住んでいたユダヤ民族がアメリカに530万人もいるのでしょうか?その鍵となるのが、今日のテーマ「世界離散」です。


このメッセージを読むと、ユダヤ民族の世界離散が、聖書の預言通りに成就した出来事だということが理解でき、これからも聖書の預言が成就していくんだと確信を持つことができます。最近は、聖書の終末預言シリーズという世の終わりについて聖書が何を言っているかだけにフォーカスを当てたYouTube動画もアップしています。「この世はこれからどうなるのか?」ということに対して少しでも興味のある方は、チャンネル登録をよろしくお願いします。

ユダヤ人の世界離散

今日の結論は一言でいうと、 「ユダヤ民族の世界離散は、すでに聖書に預言されており、この2000年間を通してその通りに成就した」 ということです。

A. 世界離散の預言(レビ記 26章33節)

わたしはあなたがたを国々の間に散らし、剣を抜いてあなたがたの後を追う。あなたがたの地は荒れ果て、あなたがたの町々は廃墟となる。

聖書(レビ記26:33)


これは、モーセが語った言葉です。三つのキーフレーズに分けて注目しましょう。

1「あなたがたを国々の間に散らし」
2「剣を抜いてあなたがたの後を追う」
3「あなたがたの地は荒れ果て、あなたがたの町々は廃墟となる」

預言者エゼキエルも似たような表現でエルサレムの滅亡と、その後のイスラエル民族の世界離散を預言しています。


その三分の一を、包囲の期間の終わるときに町の中で焼き、またもう三分の一を取って町の周りで剣で打ち、残りの三分の一を風に乗せて散らせ。わたしは剣を抜いてその後を追う。

聖書(エゼキエル 5:2)

あなたの三分の一は疫病で死ぬか、あなたのただ中で飢饉によって滅び、三分の一はあなたの周りで剣に倒れ、残りの三分の一を、わたしは四方に散らし、剣を抜いて彼らの後を追う。

聖書(エゼキエル 5:12)

わたしはまた、周囲にいて彼を助ける者たちや、彼の軍隊をみな四方に追い散らし、剣を抜いて彼らの後を追う。

聖書(エゼキエル 12:14)

では、この旧約聖書の預言は、本当に成就したのか、次のポイントで検証しましょう。

B. 世界離散の成就

イスラエル民族の本格的な世界離散は、AD70年のローマ帝国によるエルサレム滅亡から始まりました。実際、ローマに滅ぼされる前にも、プチ世界離散は起こっていました。それが、BC586年のバビロン捕囚の時です。



エレミヤやイザヤが預言した通り、BC586年に新バビロニア帝国にエルサレムが滅ぼされたときに、多くのイスラエル人はバビロンに連れて行かれました。バビロン捕囚の後、バビロンを倒したペルシャのキュロス2世がイスラエル人に「国に帰っていいよ」という命令を出し、捕囚されていたイスラエル人の一部は帰国しました。それが、BC538年です。

しかし、もちろん、バビロンやペルシャに残ったイスラエル人も多くいており、これをプチ世界離散と呼ぶこともできます。当時は、エジプトにもユダヤ人が多く移住していて、特にアレクサンドリアで、紀元前1世紀(BC100年~BC1年まで)の人口の40%がユダヤ系でした。

1世紀、イスラエル以外に住んでいたイスラエル人の数は500万に達し、その5分の4はローマ帝国内に住んでいました。その流れの中で、AD70年のローマ帝国によるエルサレム滅亡が起こり、イスラエル民族の本格的な世界離散が始まったというわけです。

現在、ヨーロッパやアメリカに、ユダヤ系の人たちがいるのは元を辿れば、このためです。アメリカに移住してきたユダヤ人は歴史的経緯に基づくと、大まかにスペインやポルトガルからのユダヤ人、ドイツからのユダヤ人、ロシア等の東欧からのユダヤ人、と三つに大別されます。つまり、母国を追われたユダヤ人は周辺のヨーロッパに散らばり、アメリカに流れて行ったということです。

では、先ほどの世界離散の預言(レビ記26章33節)がどのように成就したかを歴史を通して確認しましょう。

わたしはあなたがたを国々の間に散らし、剣を抜いてあなたがたの後を追う。あなたがたの地は荒れ果て、あなたがたの町々は廃墟となる。

聖書(レビ記26:33)

1「あなたがたを国々の間に散らし」

この言葉はバビロン捕囚よりももっともっと前に、モーセが語った預言です。驚くことに、今現在、世界中どこへ行ってもユダヤ人の住んでいない国はないというほどに散らされています。AD70年にローマ帝国に徹底的に滅ぼされ、約60万人のユダヤ人が世界中に奴隷として売られたのがきっかけだと言えます。

2「剣を抜いてあなたがたの後を追う」

AD66年に始まったイスラエルとローマの戦争によって、AD70年に神殿とエルサレムの破壊されました。その時、多くの人がローマ軍の剣によって殺されました。ユダヤ人フラウィウス・ヨセフスによって1世紀に書かれた『ユダヤ戦記』 によると、当時、中東で剣で倒れたユダヤ人の数は約1000万人とされています。その後も、20世紀に至るまで、彼らは剣に追われています。

あるユダヤ人は、 「ユダヤ民族は11回にわたって民族抹殺の危機を通り抜けた」と言っていたそうです。しかし実際には11回どころではありません。あらゆる所でユダヤ人の大量殺戮が起こっています。どこへ行っても「反ユダヤ思想」は消えず、民族的に迫害されました。特に、ほとんどの人が聞いたことあるのが、「ホロコースト」ではないでしょうか?

1933年1月にドイツで政権を握ったナチスは、ドイツ人を「優れた人種」であると信じる一方、ユダヤ人を「劣った人種」であると見なし、いわゆるゲルマン民族のコミュニティに対する他民族による脅威であると考えました。結果、ナチス政権とその協力者によって、ユダヤ人は組織的かつ国家的に迫害され、約600万人が殺戮されました。ちなみに、「ホロコースト」は「焼かれたいけにえ」という意味のギリシャ語を語源とする言葉です。

約2000年に1000万人が殺され、わずか100年前にも600万にが殺されています。この2000年間、剣はいつもイスラエル人を追ってきたのです。預言は成就しています。

3「あなたがたの地は荒れ果て、あなたがたの町々は廃墟となる」

もちろん、バビロン捕囚の時にも、神殿は壊されエルサレムは廃墟同然となりましたが、最近の19世紀のパレスチナの土地は人が住めない荒れ果てた土地でありました。当時、泉のある地域にわずかな人が住んでいるのみで、草木も生えない荒れ地でした。今は、観光の人気があるほど、素晴らしい国となっています。しかし、わずか200年前は、高地は岩場、低地は沼だらけで排水も悪く、マラリヤがはびこっていたのがイスラエルの土地です。つまり、この預言が成就しています。

旧約聖書に「世界離散」の預言があり、その通りこの2000年を通して成就してきたことを知りました。実は、聖書には、この世界離散の原因が何であったかまで明確に示しています。

C. 世界離散の原因 (エゼキエル書36:17)

聖書には、 世界離散の原因は、イスラエルの罪 だと書いています。

17 「人の子よ。イスラエルの家が自分の土地に住んでいたとき、彼らはその生き方と行いによって、その地を汚した。その生き方は、わたしの前では、月のさわりのある女の汚れのようであった。
18 それでわたしは、彼らがその地に流した血のために、また偶像でこれを汚したことのゆえに、わたしの憤りを彼らに注いだ。
19 わたしは彼らを諸国の間に散らし、彼らを国々に追い散らし、彼らの生き方と行いにしたがって彼らをさばいた。

聖書(エゼキエル 36:17-19)


神様はエゼキエルを通して、イスラエル人が犯した殺人行為と偶像礼拝によって地が汚されたからだと言っています。「月のさわりのある女の汚れ」とは、レビ記15章19節によれば、7日間汚れた状態になり、だれでも彼女に触れる者は夕方まで宗教的に汚れた状態になるということから来ています。

つまり、エゼキエルは、その律法の定めに基づいて、イスラエルが神に対して犯した罪の深刻さを説明しようとしているのです。当時、イスラエルには偶像礼拝が入ってきていました。カナン人が行っていた偶像礼拝は、偶像の前で淫らなことを行ない、望まない妊娠をします。

その子が産まれたら、モレクの偶像に捧げて火で燃やすのです。神殿で礼拝を行いながら、同時にこの偶像礼拝を行なっていたのです。その結果、イスラエルが諸国に散らされたと19節にあります。実際、彼らの罪は、イスラエルだけの問題ではありません。イスラエルの神の御名がイスラエルによって汚されたことでもあったのです。ほかの国々の民は、イスラエルの滅亡を、イスラエルの神である主が無能だからだと考えました 。

彼らはどの国々に行っても、わたしの聖なる名を汚した。人々は彼らについて、『この人々は主の民なのに、主の国から出されたのだ』と言ったのだ。

聖書(エゼキエル 36:20)

実際、このセリフは、歴史を通して、イスラエル民族が言われてきた言葉です。ヨーロッパでは、ユダヤ人は キリストを殺したがゆえに神に見捨てられた民族だと言われてきました。2世紀から「イスラエルの民は選民ではなくなった」と言われ続けています。「キリスト殺し」とも言われて、迫害も受けました。イスラエル民族は、神の御名を世界に証しするために選ばれた民族です。使命を持って選ばれたことは特権でもある一方、大きな責任があるのです。

多く与えられた者はみな、多くを求められ、多く任された者は、さらに多くを要求されます。

聖書(ルカ12:48後半)


イスラエルの罪によって、神様はバビロンによってエルサレムが破壊されることを許されました。その後、イエスをメシヤとイスラエル人が認めなかったので、ローマによって土地を追われ、離散したというわけです。

もちろん、私たちが、イスラエル民族を「キリスト殺し」とか「神に見捨てられた民族」とか言ってはいけません。私たち一人一人も、罪を犯し、キリストを十字架につけたものだからです。異邦人は、ユダヤ人以上に神に見捨てられていたものたちです。パウロもこのように忠告しています。

そのとおりです。彼らは不信仰によって折られましたが、あなたは信仰によって立っています。思い上がることなく、むしろ恐れなさい。

聖書(ローマ11:20)


しかも、パウロはイスラエルの民の使命が変わっておらず、回復を語っています。

それでは尋ねますが、神はご自分の民を退けられたのでしょうか。決してそんなことはありません。

聖書(ローマ11:1)


この言葉は成就しています。世界離散したイスラエルの民は、同じく旧約聖書の預言である通り、ここ100年でイスラエルに一気に帰還しました。イスラエルを選び、愛しておられる神は、滅亡とともに、回復も預言されていたからです。このユダヤ人の帰還の預言と成就については、次回のメッセージでとりあげます。

まとめ

まとめましょう。今日の結論は一言でいうと、 ユダヤ民族の世界離散は、すでに聖書に預言されており、この2000年間を通してその通りに成就した ということです。

A. 世界離散の預言(レビ記26:33)
1「あなたがたを国々の間に散らし」
2「剣を抜いてあなたがたの後を追う」
3「あなたがたの地は荒れ果て、あなたがたの町々は廃墟となる」

B. 世界離散の成就
AD70年のローマ帝国によるエルサレム滅亡によって、イスラエル民族は世界離散しました。ヨーロッパやアメリカに、ユダヤ系の人たちがいるのはこのためです。

C. 世界離散の原因(エゼキエル書36:17)
イスラエルの偶像礼拝の罪。

モーセの時代に語られたユダヤ民族が世界離散するという預言は、AD70年を境に成就していきました。これは、ホロコーストのときにヨーロッパにたくさん散らばっていたユダヤ人を見ればわかるでしょう。また、アメリカにたくさんいるユダヤ人を見てもわかります。

聖書の預言は必ず成就します。したがって、終末に対する預言も、同じように必ず成就するということです。神の言葉をそのまま信じ、今すべきこと、神が望まれることに目を向けて謙遜に生きていきたいと思います。これからも続けて、現在成就している預言を取り上げていきます。

次回は「ユダヤ人の帰還」についてです。世界離散しただけではなく、母国に戻ることまで預言されていたのです。もちろん、このことも歴史を通して成就していました。どのように成就して言ったのか、詳しく説明します。

読んでいただきありがとうございます。このメッセージはYoutubeでもご視聴いただけます。

参考資料:シリーズイスラエルの歴史と日本のリバイバルの関係Vol.1 聖書預言はどう実現しているのか /スティーブンス・栄子 / オメガ出版 使用画像元: Pixabay, Unsplash ・Addicted04 – 投稿者自身による作品 with Natural Earth Data このW3C-unspecified ベクター画像はInkscapeで作成されました。, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index…​ ・Anthony Quintano from Honolulu, HI, United States – Mark Zuckerberg F8 2018 Keynote, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index…​ ・Stansfield PL – Wikimedia Commons, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index…​ ・Chriscohen at the English Wikipedia, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index…

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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