【聖書の終末預言㊳】 大患難時代④7つのラッパの裁き(7年の1/4)「今ある自然は当たり前じゃない」(黙示録8章~9章)

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はじめに

今日は、大患難時代の預言に出てくる「7つのラッパの裁き」について説明します。黙示録が難しく感じる原因の一つに、ラッパの裁きとか、封印がどうこうとか、よくわからないものがたくさん出てくることではないでしょうか。同じような、でも違う災害がたくさん出てきて、しかも、「さそりのようないなごで人間の顔」とか読むと、「これはどういう意味なんだ!?」とそこで読むのを止めてしまいます。

この封印のさばきなどは、大患難時代に起こる災害などを示しているので、整理できたら、世の終わりに何が起こるのかを理解しやすくなります。そのことと現在起きている地震や感染症を比較すれば、今は世の終わりのどこらへんにいるのかがわかるようになります。このブログを読むと、世の終わりに起こる7つの災害を時系列に整理でき、難解な黙示録が簡単に感じるようになります。

最近は、聖書の終末預言シリーズという世の終わりについて聖書が何を言っているかだけにフォーカスを当てたYouTube動画をアップしています。「この世はこれからどうなるのか?」ということに対して少しでも興味のある方は、チャンネル登録をよろしくお願いします。

7つのラッパのさばきとは何か?

一言でいうと、 大患難時代の前半3年半の、封印のさばきに続いて起こる7つのさばきのこと です。

A. 7つのラッパの裁きはいつ起こる?

 7年間の大患難時代の前半3年半の期間に起こります。 

ラッパの裁きは、封印の裁きの7つ目からスタートし、鉢の裁きへと発展していきます。

B. 7つのラッパの解説

① 第1のラッパ:雹と火

6 また、七つのラッパを持った七人の御使いたちは、ラッパを吹く用意をした。
7 第一の御使いがラッパを吹いた。すると、血の混じった雹と火が現れて、地に投げ込まれた。そして地の三分の一が焼かれ、木々の三分の一も焼かれ、すべての青草も焼かれてしまった。

聖書(黙示録 8:6-7)


 最初のラッパは世界の植物の多くを焼き尽くす雹と火とを起こします。 「地の三分の一が焼ける」とは、火によって世界の33%の土地と森林が焼けることを意味します。これによって、さらなる食料不足が訪れることが予想できます。

② 第2のラッパ:隕石?

8 第二の御使いがラッパを吹いた。すると、火の燃えている大きな山のようなものが、海に投げ込まれた。そして海の三分の一が血になった。
9 また、海の中にいる被造物で、いのちのあるものの三分の一が死に、船の三分の一が壊された。

聖書(黙示録 8:8-9)


 第二のラッパは隕石らしきものをもたらします。 「火の燃えている大きな山のようなもの」とは隕石のようなものだと考えられます。火山がそのまま海に入ったという解釈もあります。これが海に直撃して、海の33%が汚染され、海洋生物の33%も死にます。海を主な食料源としている地域で、餓死者が出ることが予想されます。

③ 第3のラッパ:化学兵器?

10 第三の御使いがラッパを吹いた。すると、天から、たいまつのように燃えている大きな星が落ちて来て、川の三分の一とその水源の上に落ちた。
11 この星の名は「苦よもぎ」と呼ばれ、水の三分の一は苦よもぎのようになった。水が苦くなったので、その水のために多くの人が死んだ。

聖書(黙示録 8:10-11)


第三のラッパは第二のラッパと似ていますが、 海ではなく世界の湖と川とに影響を与えます 。「大きな星」とは、近代化学兵器もしくは科学物質、または、堕天使という解釈があります。黙示録で星は天使を表すことがあるからです。これらが川と湖に落ちるので、水源の33%が汚染された結果、多くの死者が出ます。11節の「苦よもぎ」はロシア語では「チェルノブイリ」といいますが、1986年のチェルノブイリ原発事故とは無関係です。

④ 第4のラッパ:暗闇

第四の御使いがラッパを吹いた。すると太陽の三分の一と、月の三分の一、また星の三分の一が打たれたので、それらの三分の一は暗くなり、昼の三分の一は光を失い、夜も同じようになった。

聖書(黙示録 8:12)
 第四のラッパは太陽と月を暗くします。 

「太陽の三分の一と、月の三分の一、また星の三分の一が打たれた」:自然光の33%が失われて、暗くなります。ルカの福音書21章25節で「日と月と星には、前兆が現れ」ると、イエス・キリストが預言しているのは、今日の第4のラッパについてだと考えられます。

また私は見た。そして、一羽の鷲が中天を飛びながら、大声でこう言うのを聞いた。「わざわいだ、わざわいだ、わざわいが来る。地上に住む者たちに。三人の御使いが吹こうとしている残りのラッパの音によって。」

聖書(黙示録 8:13)


13節に「わざわい」ということばを3回用いることで、この後に起こる災害の激しさが強調されています。
第1のわざわい=第5のラッパ(悪霊の進軍)
第2のわざわい=第6のラッパ(2億の悪霊の進軍)
第3のわざわい=第7のラッパ(7つの鉢の裁きのスタート)

⑤ 第5のラッパ:いなご(悪霊たちの解放)

 第五のラッパは人類を襲い苦しめる「凶暴ないなご」の災害です。 このいなごは何でしょう?

その煙の中からいなごが地上に出て来た。それらには、地のサソリが持っているような力が与えられた。

聖書(黙示録 9:3)


この表現から、これは悪霊だと考えられます。

1 第五の御使いがラッパを吹いた。すると私は、一つの星が天から地に落ちるのを見た。その星には、底知れぬ所に通じる穴の伴が与えられた。
2 それが底知れぬ所に通じる穴を開くと、穴から大きなかまどの煙のような煙が立ち上り、太陽と空はこの穴の煙のために暗くなった。

聖書(黙示録 9:1-2)


1-2節:「星が地上に落ちるのを見た」という表現もこの解釈を支持します。黙示録では星 が天使を表すことがあるため、「星」をサタンである と解釈する説があるからです。
「底知れぬ穴」:アブソス(ギリシア語)で「底知れぬ所」とも呼ばれ、悪霊が閉じ込められる場所です。

悪霊どもはイエスに、底知れぬ所に行けと自分たちにお命じにならないようにと懇願した。

聖書(ルカ8:31)


今もそこに入れられている悪霊がいますが、大患難時代にサタンにアブソスを開くかぎが与えられ、閉じ込められている悪霊どもが解放されます。ちなみに、黙示録20章で、サタンがアブソスに閉じ込められます。しかし、千年後にはそこから解き放たれます。

千年が終わるまで、これ以上諸国の民を惑わすことのないように、底知れぬ所に投げ込んで伴をかけ、その上に封印をした。その後、竜はしばらくの間、解き放たれることになる。

聖書(黙示録20:3)

4 そして彼らは、地の草やどんな青草、どんな木にも害を加えてはならないが、額に神の印を持たない人たちには加えてよい、と言い渡された。
5 その人たちを殺すことは許されなかったが、五か月間苦しめることは許された。彼らの苦痛は、サソリが人を刺したときの苦痛のようだった。

聖書(黙示録 9:4-5)


4節:144,000人の伝道師たちはこの災いから守られます。そして、 このいなごと呼ばれる悪霊の働きが許されるのは5力月間のみです。人々は悪霊の働きに5ヶ月間も苦しめられます。どれだけ恐ろしいかというと、6節に書いてあります。

その期間、人々は死を探し求めるが、決して見出すことはない。死ぬことを切に願うが、死は彼らから逃げて行く。

聖書(黙示録 9:6)


死にたいくらいつらいのです。しかし、死ねない状態になります。これが悪霊の働きです。では、次に悪霊の姿です。一言で言うと、どうみても、いなごが地上の生物ではなく、悪霊であると言うことです。

7 いなごたちの姿は、出陣の用意が整った馬に似ていた。頭には金の冠のようなものをかぶり、顔は人間の顔のようであった。
8 また、女の髪のような毛があり、歯は獅子の歯のようであった。
9 また、鉄の胸当てのような胸当てを着け、その羽の音は、馬に引かれた多くの戦車が戦いに急ぐときの音のようであった。

聖書(黙示録 9:7-9)


悪霊に人間のような肉体はないので、黙示録を書いたヨハネは、出来る限り知っている単語で伝えようとしています。一言でいうと、これらの悪霊は、人間と動物をミックスしたような恐ろしい形状をしています。これは、どうみても、いなごが地上の生物ではなく、悪霊であることが分かります。

10 彼らはサソリのような尾と針を持っていて、その尾には、五か月間、人々に害を加える力があった。
11 いなごたちは、底知れぬ所の使いを王としている。その名はヘブル語でアバドン、ギリシア語でアポリュオンという。
12 第一のわざわいは過ぎ去った。見よ、この後、なお二つのわざわいが来る。

聖書(黙示録 9:10-12)


ヘブル語のアバドン、ギリシア語のアポリュオンはともに「破壊者」という意味です。人間の「魂」を破壊するサタンのことです。

⑥ 第6のラッパ:軍隊(2億の悪霊)

13 第六の御使いがラッパを吹いた。すると、神の御前にある金の祭壇の四本の角から、一つの声が聞こえた。
14 その声は、ラッパを持っている第六の御使いに言った。「大河ユーフラテスのほとりにつながれている、四人の御使いを解き放て。」
15 すると、その時、その日、その月、その年のために用意されていた、四人の御使いが解き放たれた。人間の三分の一を殺すためであった。
16 騎兵の数は二億で、私はその数を耳にした。

聖書(黙示録 9:13-16)


 第六のラッパは人類の三分の一を殺す凶暴な軍隊を解放します。 
14節:「四人の御使いを解き放せ」とは、黙示録7:1で命令を受けた4人の天使ではなく、堕落した天使のことです。聖書では堕天使も御使いと呼ぶことがあります。
15節:神が定められたときに、この堕天使たちは解放され、神の裁きの計画のために用いられるのです。つまり、サタンも悪霊も、神の許されたことしか行えないということです。
「大川ユーフラテス」:中東の川です。トルコから始まり、シリアの北側を通り、イラク、クウエートを通って、ペルシャ湾に流れ込む川のことです。

この悪霊の働きは、イスラエルの周辺で起こっています。騎兵の数は2億と書いています。前に、これは中国の軍隊だという解釈を聞いたことがあります。聖書的な根拠はないですが、2億の兵士を持てる国は、人口が10億人以上の中国かインドくらいだろうという推測です。しかし、17-19節を読むと、騎兵が人間ではないことが、彼ら自身と騎乗する馬の描写から分かります。

17 私が幻の中で見た馬と、それに乗っている者たちの様子はこうであった。彼らは、燃えるような赤と紫と硫黄の色の胸当てを着けており、馬の頭は獅子の頭のようで、口からは火と煙と硫黄が出ていた。
18 これら三つの災害、すなわち、彼らの口から出る火と煙と硫黄によって、人間の三分の一が殺された。
19 馬の力は口と尾にあって、その尾は蛇に似て頭を持ち、その頭で害を加えるのである。

聖書(黙示録 9:17-19)

18節:この2億の騎兵は、「火と煙と硫黄」の害をもたらし、人類の33%を殺します

⑦ 第7のラッパ:七つの鉢のさばきのスタート

第七の御使いがラッパを吹いた。すると大きな声が天に起こって、こう言った。「この世の王国は、私たちの主と、そのキリストのものとなった。主は世々限りなく支配される。」

聖書(黙示録 11:15)


 第七のラッパは、最も厳しい裁きであり、7つの鉢の裁きのスタートでもあります。 七つの鉢のさばきは、大患難時代の後半、最後の3年半に起きるさばきです。つまり、6つ目までのラッパの裁きは、大患難時代の中間に完了するということです。

「この世の王国は、私たちの主と、そのキリストのものとなった。主は世々限りなく支配される。」
7つの鉢の裁きが起こる前に、キリストの勝利を宣言します。これは、預言的な宣言であって、いよいよ最後の3年半に起こる7つの鉢の裁きが終わればキリストが再臨されるということです。キリストの再臨が世界に真の平和をもたらします。

C. ここから学べることは?

① 自然界の祝福に気づく

第1から第4のラッパまでの特徴は、当たり前のように神から与えられていた自然界の祝福が取り去られることです。

1.緑の祝福
2.海の祝福
3.水の祝福
4.光の祝福

私たちはこれらのものが当然と考えます。公園や自然で癒されますが、すべての木々が無料で与えられています。海が好きな人は多く、美味しい魚もとれます。川や湖の水を無料で飲みます。一日30分の日光浴はメンタル元気にしますし、昼間は電気が不要です。世の終わりに私たちは、今まで当たり前に受けてきた自然の恵みのありがたみを痛感するのです。神様から無償で与えられていたのに、「神はいない」などと言ってみたり、感謝すらしていなかったことに気づくでしょう。

② 教会の祝福に気づく

第5-6のラッパで多くの悪霊が解き放たれ、今までにないくらいの悪霊が解き放たれると、人々は死を望むようになります。現代では悪霊の働きは確かにありますが、この大患難時代と比べれば、まだ限定的です。それは、今日の教会や聖徒の祈りによって見えないけれども、感じていなくても、守られているからです。携挙で教会が取り去られるのか、悪霊の力が増大するときに、霊的に守られていたことに気づくはずです。

③ 災害を通っても悔い改めない人がいる

20 これらの災害によって殺されなかった、人間の残りの者たちは、悔い改めて自分たちの手で造った物から離れるということをせず、悪霊どもや、金、銀、銅、石、木で造られた偶像、すなわち見ることも聞くことも歩くこともできないものを、拝み続けた。
21 また彼らは、自分たちが行っている殺人、魔術、淫らな行いや盗みを悔い改めなかった。

聖書(黙示録 9:20-21)


しかし、人々は、このような状況になっても悔い改めず、偶像礼拝を続けるとも書いています。結局、困難が来ても、悔い改めない人は悔い改めないということです。私たちはどうでしょう。今の時代に生きていながらも、感謝を忘れずに、自分の罪を悔い改めて謙遜に過ごしたいと思います。

まとめ

まとめましょう。7つのラッパの裁きとは何か?

 一言でいうと、大患難時代の最初の3年半に起こる7つのさばきのことです。 

A. 7つのラッパの裁きはいつ起こる?
7年間の大患難時代の前半3年半の期間に起こります。

B. 7つのラッパの解説
1.第1のラッパ:雹と火
2.第2のラッパ:隕石?
3.第3のラッパ:化学兵器?
4.第4のラッパ:暗闇
5.第5のラッパ:いなご(悪霊たちの解放)
6.第6のラッパ:軍隊(2億の悪霊)
7.第7のラッパ:七つの鉢のさばきのスタート

C. ここから学べることは?
1.自然界の祝福に気づく
2.教会の祝福に気づく
3.災害を通っても悔い改めない人がいる

次回は大患難時代に活躍する2人の証人についてお話しします。

読んでいただきありがとうございます。このメッセージはYoutubeでもご視聴いただけます。

参考資料:黙示録セミナー終末編 /オメガミニストリーズ•オメガバイブルスタディー、ハーベストタイムミニストリーズ/メッセージステーション 使用画像元: Pixabay, Unsplash

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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