【聖書の終末預言㉛】イスラエルと聖書預言⑨ 現代: 今、私たちがすべきこと「なぜ、エルサレムの平和のために祈るのか?」(詩篇122:6)

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はじめに

今日は、世の終わりにエルサレムのために祈る重要性についてお話します。イスラエルという国のために祈るといった場合、二つの重要なファクターがあります。



一つは、「イスラエル民族のために祈る」ということです。前回の記事で、再臨の鍵は「イスラエル民族」が握っているということをお話ししました。なので、彼らのために祈りが必要です。



もう一つは、「エルサレムという都市のために祈る」ということです。前々回の記事で説明した通り、エルサレム問題はイスラエルとパレスチナにとって、一筋縄でいかない重い石のような問題です。聖書には、エルサレムを擁護すると、「身にひどい傷を受ける」とも書いています。現在イスラエルと積極的に関わり、エルサレム問題をかついでいる親イスラエルのアメリカは実際にひどい傷を受けたと言えます。

2001年9月11日に起こった同時多発テロが記憶に新しいでしょう。首謀者とされたビン・ラディンはこのように言ったそうです。「アメリカがイスラエルを擁護しているゆえにこれを行った。今後も攻撃を続ける」

イスラエル民族が、ホロコーストのように、歴史を通して迫害されてきたのを見れば、ユダヤ民族のために祈る特別な理由があることは察することができます。同様に、エルサレム問題を見るときに、このエルサレムという都市も、祈るための特別な理由があることがなんとなくわかるのです。

この記事を読むと、聖書から 「なぜ、エルサレムが重要なのか」が理解でき、エルサレムのために心から祈ることができる ようになります。最近は、聖書の終末預言シリーズという世の終わりについて聖書が何を言っているかだけにフォーカスを当てたYouTube動画もアップしています。「この世はこれからどうなるのか?」ということに対して少しでも興味のある方は、チャンネル登録をよろしくお願いします。

キリストの再臨のために祈る

今日の結論を一言でいうと、私たちがエルサレムのために祈る理由は、 「キリストの再臨」につながる からです。なぜ、エルサレムのために祈るのか?今日も3つのポイントで見ていきます。

A.エルサレムの平和を祈ることは神の命令だから →完全な平和は再臨(主の祈り)

エルサレムの平和のために祈れ。 「あなたを愛する人々が安らかであるように。

聖書(詩篇122:6)


まず、何より、 神の命令だから私たちは祈らなければならないのです。 神様は、エルサレムの何を祈れと言っているのでしょうか?エルサレムの平和(シャローム)のために祈ることです。シャロームはヘブル語で、「完全、完璧、欠けたところのない、その全体、良い」などを意味する動詞から来ています。次の聖書箇所では全て平和を表す「シャローム」が使われています。


平安(創15:15, 出18:23, 詩4:8-9, イザ55:12)⇄不安
繁栄(詩73:3)⇄困窮
健康(詩38:3-4)⇄病気
和解(ヨシ9:15, 1列王記20:18)⇄争い


具体的に、エルサレムに不安や、困窮、病気、争いがあるならば、完全な平和を神に祈る必要があります。

7 あなたの城壁の内に、平和があるように。あなたの宮殿の内が、平穏であるように。」
8 私の兄弟、友のために、さあ私は言おう。「あなたのうちに、平和があるように。」
9 私たちの神、主の家のために、私はあなたの幸いを祈り求めよう。

聖書(詩篇122:7-9)

これは、別に他の都市や国のために祈ることと何ら変わりないように思えます。世界の中には、エルサレムよりも、困窮している人々が住んでいるところもあるからです。私たちは、もちろんそれらの都市の平和のために祈ります。しかし、エルサレムの平和のために祈るとは、もう少し深い意味があります。

エルサレムはへブライ語で「イェルシャライーム」と言います。ヘブライ語で語尾に「オット」や 「イーム」がつくと複数形となります。英語の「s」のようなものだと思ってください。

なぜ、エルサレムは複数形なのでしょう?世界中の都市で、複数形の名がついている都市ってありますか?NewYorksとはならないし、Tokyosともなりません。なぜ、複数形なのでしょうか?これは聖書の知識が必要です。聖書によると、エルサレムはこの地上のイスラエルという国にあるだけでなく、天にもあるからです。天と地にエルサレムがあるのです。

しかし、あなたがたが近づいているのは、シオンの山、生ける神の都である天上のエルサレム、無数の御使いたちの喜びの集い、

聖書(ヘブル人への手紙12:22)


私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために飾られた花嫁のように整えられ
て、神のみもとから、天から降って来るのを見た。

聖書(黙示録21:2)

そして、御使いは御霊によって私を大きな高い山に連れて行き、聖なる都エルサレムが神のみもとから、天から降って来るのを見せた。

聖書(黙示録21:10)

世の終わりには、この天上のエルサレムからイエス・キリストが地上のエルサレムに再び来られるのです。 これが「再臨」です。 再臨により天のエルサレムと地のエルサレムの両方に神様による完全な平和「シャローム」が訪れ、神の国が完全に到来します。つまり、地上のエルサレムの平和のために祈る行為は、世の終わりの「再臨」を待ち望む祈りとも言えるのです。そうなれば、エルサレムの平和のための祈りが、全てのクリスチャンにとって重要であることがわかります。ちなみに、エルサレムの平和のために祈りは、主の祈りの祈りにも関連していることがわかります。神の御国が天でも、地上でも、到来のために祈ること、と言えます。

御国が来ますように。みこころが天で行われるように、地でも行われますように。

聖書(マタイの福音書6:10)


エルサレムにキリストが再臨すれば、日本を含む世界中に平和が訪れます。当たり前ですよね。キリストはエルサレムに再臨されますが、世界を平和で治める神ですから。なので、エルサレムの平和のために祈るのは、世界中に神の国の平和が訪れる祈りであるので、すべてのクリスチャンに命令されていると言えるのです。

B.エルサレムはイスラエル民族の信仰生活の中心だから→イスラエル人が神を求める時が再臨

エルサレムは、聖書の時代から、イスラエルの民にとっての霊的な中心地でした。イスラエルの民は、年に最低3回はエルサレムに巡礼しました。それは、家族で神様を礼拝するためです。何より、エルサレムには神殿がありました。今はありません。神殿のことを「主の家」とも言われ、神がおられること(臨在)の象徴です。神様は、天の御座で、世を治めておられますが、神殿をその御住まいとして定められたということです。

主はシオンを選び、それをご自分の住まいとして望まれた。

聖書(詩篇132:13)

「あなたがたは知るようになる。あなたがたの神、主であるこのわたしが、わが聖なる山、シオンに住むことを。 エルサレムは聖なる所となり、 他国人が再びそこを通ることはない。

聖書(ヨエル書 3:17)

今、わたしはこの宮を選んで聖別した。それはとこしえにわたしの名をそこに置くためである。わたしの目とわたしの心は、いつもそこにある。

聖書(歴代誌第二7:16)

この神殿とエルサレム巡礼こそが、イスラエル民族の信仰を強めて行きました。神殿から遠く離れた所に住む人々は、神からも遠く離れたように感します。それによっで、自分の生活に恐れと不安、恐怖を感じることもあります。しかし、巡礼を通して、神の守りを確信し、それをおぼえて平安のうちに普通の生活に戻るのです。イスラエル人じゃなくても、教会生活を通して励まされる時、理解ができますね。別に教会に神様が住んでいるわけではありませんが、私たちが具体的に教会の中で、神様の臨在に触れるときに、信仰が守られ、養われていくのです。なので、エルサレムを通して、世俗派のイスラエル人も聖書を思い出し、実生活の中で神を覚えるきっかけになるのです。イスラエルの民は、キリストの再臨の伴を持っているので、サタンは彼らの信仰生活によい影響を与えるエルサレムそのものをも壊したいのです。 イスラエル人がイエスをキリストと受け入れ、求めた時に再臨が起こります。 なので、エルサレムのために祈ることは、再臨にもつながるのです。

C.エルサレムは神の栄光があらわされる場所だから→神の栄光が回復するのは再臨

聖書を見ていくと、エルサレムは、神の御名を住まわせるために選ばれた場所だと書いています。

あなたがたの神、主が御名を住まわせるために選ばれる場所へ、私が命じるすべての物を携えて行かなければならない。あなたがたの全焼のささげ物といけにえ、十分の一と、あなたがたが供える奉納物、それに主に誓う最良の誓願のささげ物である。

聖書(申命記12:11)

主が御名を住まわせるために選ばれる場所、あなたの神、主の前であなたの穀物、新しいぶどう酒、油の十分の一、そして牛や羊の初子を食べなさい。あなたが、いつまでも、あなたの神、主を恐れることを学ぶためである。

聖書(申命記14:23)

主が御名を住まわせるために選ばれる場所で、あなたの神、主に、過越のいけにえとして羊と牛を屠りなさい。

聖書(申命記16:2)

ただ、あなたの神、主が御名を住まわせるために選ばれるその場所で、夕方、日の沈むころ、あなたがエジプトから出た時刻に、過越のいけにえを屠らなければならない。

聖書(申命記16:6)

あなたはあなたの息子、娘、男女の奴隷、あなたの町囲みの中にいるレビ人、あなたがたのうちの寄留者、孤児、やもめとともに、あなたの神、主の前で、あなたの神、主が御名を住まわせるために選ばれる場所で喜び楽しみなさい。

聖書(申命記16:11)

あなたの神、主が与えようとしておられる地から収穫する、大地のすべての実りの初物の一部を取って、かごに入れ、あなたの神、主が御名を住まわせるために選ばれる場所へ行かなければならない。

聖書(申命記26:2)

神様はエルサレムにご自身の名前をおいたので、エルサレムに偶像礼拝が蔓延り、イスラエル人が不信仰を貫くなら、エルサレムとイスラエル民族を選ばれた、神の栄光は汚されます。親の恥は子の恥、子の恥は親の恥ということわざの通りです。子供が人間として恥ずかしい行動をすれば、この子供を育てた親が責任を負わなければならないという意味です。親子のように、神様はいつもエルサレムとイスラエル民族の状態に、ご自身の栄光を委ねられました。パウロはイスラエル人として、あなた(=イスラエル)の不信仰によって、世界で神様の信用がガタ落ちになっていると言っています。

「あなたがたのゆえに、神の御名は異邦人の間で汚されている」と書いてあるとおりです。

聖書(ローマ人への手紙2:24)

エルサレムも同じです。

わたしは彼らから顔を背け、わたしが秘宝とする所は汚される。無法者がそこに入り込み、そこを侵す。

聖書(エゼキエル書7:22)

秘宝とする所とは、エルサレムのことです。歴史を通して、エルサレムは、バビロンやローマによって滅ぼされ、周りの国から「神は無力である」と思われてしまいました。これは、終末にも起こることが予言されています。

今、多くの国々があなたに敵対して集まり、そして言う。「シオンは汚されるがよい。われわれはこの目でじっとそれを見ていよう」と。

聖書(ミカ書4:11)


シオンとはエルサレムのことで、多くの国々がエルサレムを囲むのは、世の終わりのハルマゲドンの戦いを連想させます。なので、私たちは、エルサレムが復興し、神様の御名の栄光があらわれるように祈る必要があるのです。しかし、間違っても、私たちの祈りで、神様の栄光が回復するという意味にとってはいけません。すでに、神様は、ご自身の栄光を、ご自身の力で取り戻すと語っておられるからです。

わたしのため、わたしのために、わたしはこれを行う。どうしてわたしの名が汚されてよかろうか。わたしの栄光を、ほかの者に与えはしない。

聖書(イザヤ書48:11)


先ほどのハルマゲドンの戦いも、結果まですでに預言しています。

しかし彼らは主の御思いを知らず、その御計らいに気づかない。主は、打ち場の麦束のように、彼らを集められたのだ。

聖書(ミカ書4:12)

神の栄光がエルサレムに戻るタイミングは、イエス・キリストの「再臨」です。

まとめ

まとめましょう。今日の結論は、 私たちがエルサレムのために祈る理由は、「キリストの再臨」につながるから です。イエス様の再臨の直前に起こる事について、聖書で預言されているすべてが、イスラエル、エルサレム、そしてイスラエル民族に集中しています。つまり、エルサレムがそこに存在していない限り、イエス様の再臨は起こらないということです。だからこそ、私たちは、エルサレムが平和であるように祈るのです。エルサレムを通して、そこに住むイスラエル民族が信仰を励まされ、イエスがキリストであることに目が開かれるように。そして、再臨を通して、平和と栄光に満ちた神の国が完成するように祈るのです。

具体的には主の祈りの前半を祈ってみてはいかがでしょう。

読んでいただき、ありがとうございました!これからも続けて、世の終わりの預言を取り上げていきます。このメッセージはYoutubeでもご視聴いただけます。

参考資料:シリーズイスラエルの歴史と日本のリバイバルの関係Vol.1 聖書預言はどう実現しているのか /スティーブンス・栄子 / オメガ出版 使用画像元: Pixabay, Unsplash

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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