霊的な戦いで足元を救われないために「あなたと一緒にいる兵は多すぎる」聖書(士師記 7:1-8)

20200412
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1 エルバアルすなわちギデオンと、彼とともにいた兵はみな、朝早くハロデの泉のそばに陣を敷いた。ミディアン人の陣営は、その北、モレの丘に沿った平地にあった。
2 主はギデオンに言われた。「あなたと一緒にいる兵は多すぎるので、わたしはミディアン人を彼らの手に渡さない。イスラエルが『自分の手で自分を救った』と言って、わたしに向かって誇るといけないからだ。
3 今、兵たちの耳に呼びかけよ。『だれでも恐れおののく者は帰り、ギルアデ山から離れよ』と。」すると、兵のうちの二万二千人が帰って行き、一万人が残った。
4 主はギデオンに言われた。「兵はまだ多すぎる。彼らを連れて水辺に下って行け。わたしはそこで、あなたのために彼らをより分けよう。わたしがあなたに、『この者はあなたと一緒に行くべきである』と言うなら、その者はあなたと一緒に行かなければならない。またわたしがあなたに、『この者はあなたと一緒に行くべきではない』と言うなら、だれも行ってはならない。」
5 そこでギデオンは兵を連れて、水辺に下って行った。主はギデオンに言われた。「犬がなめるように、舌で水をなめる者は残らず別にせよ。また、飲むために膝をつく者もすべてそうせよ。」
6 すると、手で口に水を運んですすった者の数が三百人であった。残りの兵はみな、膝をついて水を飲んだ。
7 主はギデオンに言われた。「手で水をすすった三百人で、わたしはあなたがたを救い、ミディアン人をあなたの手に渡す。残りの兵はみな、それぞれ自分のところに帰らせよ。」
8 そこで三百人の者は、兵の食糧と角笛を手に取った。こうして、ギデオンはイスラエル人をみな、それぞれ自分の天幕に送り返し、三百人の者だけを引きとどめた。ミディアン人の陣営は、彼から見て下の方の平地にあった。

聖書(士師記 7:1-8)

はじめに

「ランチェスター戦略」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、企業が競争に勝つために世界でもっとも広く利用されている戦略の1つです。

どういうことかというと、
基本は、「武器の性能が同じであれば、必ず兵力数の多い方が勝つ」。

なので、大手は総合力で中小を圧倒する。
中小は、差別化によって、隙間を突く。

つまり、弱者が強者に勝つための戦略です。

例えば、GAFAと呼ばれるApple、Google、facebook、Amazonの4社は、このランチェスター戦略による差別化でここまで強くなりました。
Googleは検索。
AppleはiPhone。
FacebookはSNS。
AmazonはEC。

聖書にも、弱いはずのイスラエルが、劇的に勝利を治めるというストーリーがたくさん出てきます。

しかし、注意したいのが、聖書はランチェスター戦略のような世のやり方と全く異なっているという点です。

信仰による宣言のみ。
なぜか?

勝利は決まっているから。
そもその、競争しているわけでもない。

神の命令に従うかどうかのみ。

今日取り上げる箇所も、イスラエルがミデヤン人と戦争するストーリーですが、世の中の戦略とは全く違う方法で勝利します。

ここから、「【霊的な戦いで足元を救われないために】あなたと一緒にいる兵は多すぎる」というタイトルで見ていきたいと思います。

霊的な戦いで足元を救われないために

時代は、モーセの出エジプト、ヨシュアによるカナンの地制圧の後の話です。
イスラエルの民は、約束の地カナンの地に住むことになりましたが、戦いは終わった訳ではありませんでした。

士師記にはパターンがあります。

「背教(6:1) -さばき(6:2-6)-悔い改め(6:6-7)-救い(6:8-)」

この時は、ミデヤン人がイスラエルを植民地状態にしていました。
イスラエル人が神様に助けを求めると、ギデオンという指導者が与えられました。

今日のストーリーの中心人物ですね。

ギデオンのリーダーシップを通して、イスラエルは助けられる訳ですが、神様は驚くべき方法でこの戦争を勝利させます。
それは、「数を極限まで減らす」ということです。

イスラエルを制圧していたミデヤン人の軍隊は135,000人。
イスラエルの軍隊は、32,000人。

ランチェスター戦略の通り、戦争で最も大切なのは、軍隊の数です。
兵力が5倍という時点で普通はイスラエルの負けです。

しかし、神様はさらに人数を減らします。

恐れのあった22,000人が帰った。
水の飲み方で10,000人が300人に減った。

これは、誰が命じたのか?
神様。

なぜ、人を減らしたのでしょうか?

①私たちが高ぶらないため

2 主はギデオンに言われた。「あなたと一緒にいる兵は多すぎるので、わたしはミディアン人を彼らの手に渡さない。イスラエルが『自分の手で自分を救った』と言って、わたしに向かって誇るといけないからだ。

聖書(士師記 7:2)

自分がやったと1ミリでも思うことがないように、神様は人々が完全に神様に頼る状況にしました。

②主がそうしたから

4 主はギデオンに言われた。「兵はまだ多すぎる。彼らを連れて水辺に下って行け。わたしはそこで、あなたのために彼らをより分けよう。わたしがあなたに、『この者はあなたと一緒に行くべきである』と言うなら、その者はあなたと一緒に行かなければならない。またわたしがあなたに、『この者はあなたと一緒に行くべきではない』と言うなら、だれも行ってはならない。」

聖書(士師記 7:4)

私たちは自分の選びに対して、理由を考えますが、シンプルです。
主がそうしたから。

③霊的な戦いだから

この戦いに神様が全く関与していなかったら、イスラエルは確実に負けていたはずです。
しかし、それでも勝利できたのは、これは霊的な戦いだからです。

霊的な戦いとは、神様が関与している目に見えない世界で起っていることです。

そもそも、「目に見えない世界の出来事が、現実に関係している」という理解がないと聖書は読めません。

ヨブ。
黙示録。

今日の箇所の始まりも、目に見えない神様がギデオンに話しかける場面から始まります。
そして、士師記のサイクル

「背教(6:1) -さばき(6:2-6)-悔い改め(6:6-7)-救い(6:8-)」

これも、目に見える戦いの裏に、もっと大事なことがあることを表しています。

霊的な戦いで最も重要なことは、「神に信頼すること」です。
神を利用するのではなく、神に用いられるものになることです。

自分の目的のために神を使って勝利する人ではなく、
神様の目的のために自分を捧げる人のことです。

神に信頼する決断

「神に信頼すること?」
なんだ、簡単じゃないか!
と思うかもしれません。

しかし、300人が13万人に立ち向かう時、恐れない人はいるでしょうか?

433倍です。

1億人の日本が、世界中の国々70億人と戦争しても、70倍です。

「勝てる訳ないでしょ」

この状況でも、主に信頼できるか。
いや、信頼するか、しないかの決断なのです。

なぜ、神様は、22,000人を家に帰したのでしょうか?
恐れていたからです。

恐れは信仰の火に水をかけるからです。

考えてみてください。
普通に考えていたら、恐れていても22,000人がいた方が少しは勝てる気がしませんか?

しかし、これは霊的な戦いなのです。

恐れは、完全な神に目を向けなくさせ、お互いを責めさせます。

イスラエルのリーダーは常にこのことを経験しました。
モーセは、出エジプトした時は褒められましたが、荒野で責められます。「なぜ、私たちをエジプトから連れ出したのか?」
この争いは、民が神ではなく、荒野という状況に恐れたことから始まりました。

ダビデも、王になる前に、その時まで世話をした400人の仲間に殺されそうになりました。「お前のせいで俺らは不幸になったんだ!」
この時も、自分たちの家族に危害が及ぶという恐れから、分裂が起こりました。

霊的な戦いに、恐れは必ずきます。

1 エルバアルすなわちギデオンと、彼とともにいた兵はみな、朝早くハロデの泉のそばに陣を敷いた。ミディアン人の陣営は、その北、モレの丘に沿った平地にあった。

聖書(士師記 7:1)

「ハロデ」とは「恐れ」という意味です。

しかし、ギデオンと300人は、恐れの中であっても前進し続けました。
恐れに対して、どのように向き合うかが霊的な戦いには大切なのです。

恐れで、神から目を離し、人や状況を見るのか?
それとも、その状況を見ておられる神様に信頼し、前進するのか。

神様は、人数を二回減らしました。
1回目は、恐れのあった22,000人。
2回目は水の飲み方で10,000人を300人に。

なぜ、水の飲み方で300人が選ばれたのか不思議に思いませんか?

5 そこでギデオンは兵を連れて、水辺に下って行った。主はギデオンに言われた。「犬がなめるように、舌で水をなめる者は残らず別にせよ。また、飲むために膝をつく者もすべてそうせよ。」
6 すると、手で口に水を運んですすった者の数が三百人であった。残りの兵はみな、膝をついて水を飲んだ。
7 主はギデオンに言われた。「手で水をすすった三百人で、わたしはあなたがたを救い、ミディアン人をあなたの手に渡す。残りの兵はみな、それぞれ自分のところに帰らせよ。」

聖書(士師記 7:5-7)

なぜ、水を飲むとき、手で飲んだ300人が選ばれたのか?

基本的には、「なぜか」という理由が聖書に書いていないので、あくまでも解釈になりますが、

よく言われる解釈は、

  1. 敵の標的になりやすい。
  2. 敵の動きを見失ってしまう。
  3. ヒルにやられやすい

です。

やはり、ここから来るイメージは、戦いの中での「注意深さ」

犬のように舐める人は、自分のことしか考えていません。

まず、「自分」なのです。

しかし、手で飲む人は、いつでも周りのことを観察しています。

彼らは、常に「主の戦い」を意識しているのです。

「霊的な戦い」の中にいることをしっかりと自覚している人が選ばれているのです。

終わりに

神様から、ガーデンチャーチに対して語られたと信じます。

ガーデンチャーチのビジョンは、多くの魂に福音を届けていくことです。
しかも、町の中心部。
社会の中心部。

はじめにヨシュア記が語られました。

これは、戦いです。

戦い戦いと言っていますが、誰と戦うのでしょうか?
ノンクリスチャン?他の教会?他業種?

悪霊たちです。
これは、霊的な戦いなのです。

私たちの格闘は血肉に対するものではなく、支配、力、この暗闇の世界の支配者たち、また天上にいるもろもろの悪霊に対するものです。

聖書(エペソ6:12)

私たちが戦うのは、
陰口、仲違い、嘘、混沌、そのような悪霊の力。
そして、自殺、呪い、心の病気、死の力。

人間の魂を殺そうとするサタンに対して戦うことです。

どうやって、戦うのか?

13 ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、一切を成し遂げて堅く立つことができるように、神のすべての武具を取りなさい。
14 そして、堅く立ちなさい。腰には真理の帯を締め、胸には正義の胸当てを着け、
15 足には平和の福音の備えをはきなさい。
16 これらすべての上に、信仰の盾を取りなさい。それによって、悪い者が放つ火矢をすべて消すことができます。
17 救いのかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち神のことばを取りなさい。
18 あらゆる祈りと願いによって、どんなときにも御霊によって祈りなさい。そのために、目を覚ましていて、すべての聖徒のために、忍耐の限りを尽くして祈りなさい。

聖書(エペソ6:13-18)

必要なのは、信仰です。
見えない備えなのです。

これから、いやすでに霊的な戦いに入りました。

でも、大丈夫です。
すでに勝利が取られています。

人々が必ず救われていきます。
サタンの圧制から解放が起きます。

必ず、リバイバルはきます。
しかし、その前に戦いがあるのです。

三つのことを気をつけましょう

  • ①高ぶらないように
  • ②主の選びを認める
  • ③霊的な戦いに備える
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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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