【聖書の終末預言㊲】 大患難時代③7つの封印の裁き(7年の1/4)「反キリスト、世界大戦、世界的飢饉、世界的疫病、迫害と殉教、天変地異」(黙示録6章)

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はじめに

今日は、大患難時代の預言に出てくる「7つの封印の裁き」について説明します。黙示録が難しく感じる原因の一つに、ラッパの裁きとか、封印がどうこうとか、よくわからないものがたくさん出てくることではないでしょうか。この封印のさばきなどは、大患難時代に起こる災害などを示しているので、整理できたら、世の終わりに何が起こるのかを理解しやすくなります。そのことと現在起きている地震や感染症を比較すれば、今は世の終わりのどこらへんにいるのかがわかるようになります。



このメッセージを読むと、世の終わりに起こる7つの災害を時系列に整理でき、難解な黙示録が簡単に感じるようになります。最近は、聖書の終末預言シリーズという世の終わりについて聖書が何を言っているかだけにフォーカスを当てたYouTube動画をアップしています。「この世はこれからどうなるのか?」ということに対して少しでも興味のある方は、チャンネル登録をよろしくお願いします。

7つの封印とは何か?

7つの封印とは何か?

 一言でいうと、大患難時代の前半3年半に起こる7つのさばきのことです。 

A. 7つの封印の裁きはいつ起こる?

7年間の大患難時代の前半3年半の期間に起こります。

封印の裁きは、ラッパの裁き、鉢の裁きへと発展していきます。

B. 7つの封印の解説

①第1の封印:反キリスト

1 また私は、子羊が七つの封印の一つを解くのを見た。そして、四つの生き物の一つが、雷のような声で「来なさい」と言うのを聞いた。
2 私は見た。すると見よ、白い馬がいた。それに乗っている者は弓を持っていた。彼は冠を与えられ、勝利の上にさらに勝利を得るために出て行った。

聖書(黙示録 6:1-2)


白い馬は反キリストを表しています。白い馬で、冠と勝利と聞くと、イエス・キリストかな?と思いますが、キリストは大患難時代の最初ではなく、最後に登場します。

また私は、天が開かれているのを見た。すると見よ、白い馬がいた。それに乗っている方は「確かで真実な方」と呼ばれ、義をもってさばき、戦いをされる。

聖書(黙示録19:11)


黙示録6章が、19章と表現が似ているのはなぜでしょう?反キリストがキリストの偽物だからです。まるでヒーローのように、キリストのように登場するのが反キリストだからです。黙示録 6:2に「勝利の上にさらに勝利を得るために出て行った」とあります。すでに得ている勝利とは、創世記3章でサタンがアダムとエバをそそのかし、罪を犯させたことだと考えられます。サタンは、終末にさらなる勝利を得ようと、反キリストを送り、いよいよ全人類を道連れにしようと支配します。

②第2の封印:世界大戦

3 子羊が第二の封印を解いたとき、私は、第二の生き物が「来なさい」と言うのを聞いた。
4 すると別の、火のように赤い馬が出て来た。それに乗っている者は、地から平和を奪い取ることが許された。人々が互いに殺し合うようになるためである。また、彼に大きな剣が与えられた。

聖書(黙示録 6:3-4)


赤い馬は世界大戦を表しています。赤い色は、流血を象徴しています。勘の良い人は、ここで「なるほど」とつながります。反キリストは、白い馬で現れ、全世界に「平和」を約束します。「この指導者のおかげで経済は潤い、世界に平和と繁栄がもたらされる!」と人々は喜びます。そして、ユダヤ人とも平和条約を結びます。しかし、契約を結んだ後で、この約束を破ります。平和条約も破棄します。ここで、戦争が起こるのです。つまり、第1の封印の後に反キリストが平和条約を結び、第2の封印の前でその条約が破られるのです。

③第3の封印:世界的飢饉

5 子羊が第三の封印を解いたとき、私は、第三の生き物が「来なさい」と言うのを聞いた。私は見た。すると見よ、黒い馬がいた。これに乗っている者は秤を手に持っていた。
6 私は、一つの声のようなものが、四つの生き物の真ん中でこう言うのを聞いた。「小麦一コイニクスが一デナリ。大麦三コイニクスが一デナリ。オリーブ油とぶどう酒に害を与えてはいけない。」

聖書(黙示録 6:5-6)


黒い馬は世界的飢饉です。世界的な食料不足で価格が高騰します。小麦一コイニクスが一デナリ。大麦三コイニクスが一デナリというのは、通常の10倍の価格で売られるということを意味します。コイニクスは約1リットルで、デナリは1日の給料です。つまり、1日働いても、小麦約1リットルか大麦3リットルしか買えないということ。小麦1リットルで食パン25枚くらいですので、日当1万円だとすると、5枚入りの食パンが、2000円くらいに値上がりするイメージでしょうか。これは、今の10倍以上の価格です。


元銀行マン的には、これはハイパーインフレかと思います。インフレとは、インフレーションの略で、物価が上がることを意味します。ハイパーインフレは、国家的な危機によって、とてつもなく物価が上がることです。言い換えれば、紙幣の価値が下がるということ。一生懸命銀行に貯めていた1000万円が、100万円の価値に下がることだと考えれば、ゾッとするでしょう。ハイパーインフレは実際に、アフリカなどの国で起こっています。このようなインフレに備えて、ある人たちは株や金、暗号資産を購入したりしています。ちょっと、脱線しますが、株や投資はお金を博打で増やす側面よりは、将来の危機から資産の目減りを守るという役割もあります。なので、預金至上主義の方々も、実は見えないリスクを負っていることを認識しましょう。

「オリーブ油とぶどう酒に害を与えてはいけない」という意味は、世界的飢饉にあっても、最低の食物と医薬品が、神によって保障されるということだと考えられます。オリーブもぶどうは、根の深い植物なので、他の穀物が枯れるような飢饉であっても、この2つまで枯れることはないようです。また、「医薬品と霊的祝福」はなくならないもという解釈もあります。オリーブ油とぶどう酒は、飲食用だけでなく、薬としても用いられるからです。

そして近寄って、傷にオリーブ油とぶどう酒を注いで包帯をし、自分の家畜に乗せて宿屋に連れて行って介抱した。

聖書(ルカ10:34)


また、他の聖書の箇所では、オリーブ油は癒しの祈りの際に使われ、ぶどう酒は十字架の血潮を象徴します。つまり、ここから霊的な恵みをも表しているという人もいます。しかし、この流れでいきなり霊的な話に飛ぶのは少し飛躍していると思います。

④第4の封印:疫病、飢饉、戦争、獣

7 子羊が第四の封印を解いたとき、私は、第四の生き物の声が「来なさい」と言うのを聞いた。
8 私は見た。すると見よ、青ざめた馬がいた。これに乗っている者の名は「死」
で、よみがそれに従っていた。彼らに、地上の四分の一を支配して、剣と飢饉と死
病と地の獣によって殺す権威が与えられた。

聖書(黙示録 6:7-8)

青ざめた馬は疫病、飢饉、戦争、獣です。戦争と飢饉で人が死ぬと、死体が放置され疫病が広がる。野獣がそれを広げるとも考えられます。この 「疫病、飢饉、戦争、獣」の4つが一気に起こることがどれだけ悲惨であるか想像できるでしょうか?このさばきで地上の25%人が死にます。世界人口77億人の25%は、約20億人が死ぬということです。現在のコロナで何人の方が亡くなられたでしょうか?比較してみるなら、この時に、どれだけ世界がパニックになるかが少しわかります。

⑤第5の封印:迫害と殉教

9 子羊が第五の封印を解いたとき、私は、神のことばと、自分たちが立てた証しのゆえに殺された者たちのたましいが、祭壇の下にいるのを見た。
10 彼らは大声で叫んだ。「聖なるまことの主よ。いつまでさばきを行わず、地に住む者たちに私たちの血の復讐をなさらないのですか。」

聖書(黙示録 6:9-10)


「自分たちが立てた証しのゆえに殺された者たちのたましい」とは、大患難時代に迫害されて殉教した者たちです。大患難時代では多くの人が救われますが、同時に、多くの人が迫害されるということです。黙示録13章以降を読むと、反キリストの独裁が始まるので、拝まない者は殺されることになります。できれば、大患難時代の前にイエス様を信じておきたいですね。

⑥第6の封印:天変地異

12 また私は見た。子羊が第六の封印を解いたとき、大きな地震が起こった。太陽は毛織りの粗布のように黒くなり、月の全面が血のようになった。
13 そして天の星が地上に落ちた。それは、いちじくが大風に揺さぶられて、青い実を落とすようであった。
14 天は、巻物が巻かれるように消えてなくなり、すべての山と島は、かつてあった場所から移された。

聖書(黙示録 6:12-14)


天体の異常な現象とともに、大きな地震が起こり、全地を覆う暗闇が全世界を襲います。それぞれのフレーズから、実際に起こりそうな現象としては、13節の「天の星が地上に落ちた」については、爆弾が空から落ちてくると考えられます。14節の「天は、巻き物が巻かれるように消えてなくなり」とは、大爆発などの粉塵によって、空が見えなくなる様子を表していると考えられます。14節の「すべての山と島は、かつてあった場所から移された」とは、地震や火山の噴火などによって地形が変わると考えられます。

⑦第7の封印:七つのラッパのさばきのスタート

1 子羊が第七の封印を解いたとき、天に半時間ほどの静けさがあった。
2 それから私は、神の御前に立っている七人の御使いたちを見た。彼らに七つのラッパが与えられた。

聖書(黙示録 8:1-2)


7年の大患難時代の4分の1が経過した時点で、最後の封印が解かれ、ついに巻物の中身が明らかになります。巻物の中には、7つの封印のさばきのあとに続けて起こる、7つのラッパの裁きと7つの鉢の裁きが書かれています。これだけひどいさばきがあったのにもかかわらず、まだ大患難時代の1/4だということです。恐ろしいですね。

ちなみに、今日の7つのさばきは、過去に【聖書の終末預言】2「世の終わりに起こる7つの前兆」というブログ記事でも取り上げています。そちらの記事では、マタイの福音書24章とルカ21章でイエス様が世の終わりの前兆について語られた箇所から7つのしるしを取り上げました。実は、マタイの24章(ルカ21章)と今日の黙示録6-7章はリンクしています。下にまとめましたので、「あ、同じこというてるやん」くらいで参考にしてください。

1.偽キリスト(マタイ24:4-5) →白い馬に乗った人(黙示録6:1-2)
2.戦争と戦争のうわさ(マタイ24:6-7) →赤い馬に乗った人(黙示録6:3-4)
3.飢饉(マタイ24:7) →黒い馬に乗った人(黙示録6:5-6)
4.疫病(ルカ21:11) →青い馬に乗った人(黙示録6:7-8)
5.迫害と殉教(マタイ24:9-10) →殉教者(黙示録6:9-11)
6.天変地異(マタイ24:29、ルカ21:11) →天変地異(黙示録6:12-17)
7.世界宣教(マタイ24:14) →144,000人(黙示録7:1-8)

C. ここから学べることは?

 世の終わりには地位も、富も、成功もなんの役にも立たない。 

15 地の王たち、高官たち、千人隊長たち、金持ちたち、力ある者たち、すべての奴隷と自由人が、洞穴と山の岩間に身を隠した。
16 そして、山々や岩に向かって言った。「私たちの上に崩れ落ちて、御座に着いておられる方の御顔と、子羊の御怒りから私たちを隠してくれ。
17 神と子羊の御怒りの、大いなる日が来たからだ。だれがそれに耐えられよう。」

聖書(黙示録 6:15-17)


世界的なさばきが起こり始めると、人々は恐れるに襲われます。ここが重要ですが、あらゆる階層の人たちが、ほら穴と山の岩間に隠れます。つまり、これは世の終わりには、 「地位も、富も、成功も」なんの役にも立たないということです。この時に大事なものは、天地万物を造られた創造主である神を畏れることです。怖がるという恐れではなく、畏敬の念を込めた畏れです。私たちは、今、神よりも地位や富や成功を求めていないでしょうか?地位や富や成功自体は悪いものだとは思いません。しかし、地位や富や成功を造られた神がいることを認め、生きるならば、あらゆる災害から守られます。もちろん、殉教者も出るので、必ず死なないという意味ではありません。しかし、ある意味では必ず死にません。それは、この命がなくなっても、永遠のいのちが与えられるからです。聖書には、死んで終わりでなく、その先に神のさばきが待っていると書いています。それを「白い御座の裁き」といいます。

イエスキリストを信じるものは、そのさばきを受けることはないとはっきり書いています。

そして、山々や岩に向かって言った。「私たちの上に崩れ落ちて、御座に着いておられる方の御顔と、子羊の御怒りから私たちを隠してくれ。

聖書(黙示録 6:16)


人々は、いっそのこと、災害で殺してくれと、死を求めます。しかし、それは解決にはなりません。この世の災害や困難を見た時、隠れるのではなく、大胆に神の前にでましょう。「あなたを神と認めます。あらゆる災害から守り、永遠のいのちを与えてください。」そのように謙遜に求めるならば、必ず、神様は世の終わりにあって、私たちを守られます。「見えない神を信じる」ということがいまいちピンとこないとしても、災害が襲ってきた時に、「何が人間にとってもっとも大切か」が明らかになります。

まとめ

まとめましょう。7つの封印とは何か?

一言でいうと、大患難時代の最初の3年半に起こる7つのさばきのことです。

A. 7つの封印の裁きはいつ起こる?
大患難時代の最初の3年半の間に起こります。

B. 7つの封印の解説
①第1の封印:反キリスト
②第2の封印:世界大戦
③第3の封印:世界的飢饉
④第4の封印:疫病、飢饉、戦争、獣
⑤第5の封印:迫害と殉教
⑥第6の封印:天変地異
⑦第7の封印:七つのラッパのさばきのスタート

C. ここから学べることは?
→「世の終わりには地位も、富も、成功もなんの役にも立たない。

次回は「7つのラッパの裁き」についてお話しします。今日学んだ7つ封印のさばきに続いて、また7つのさばきが起こります。これが整理できたら、世の終わりに何が起こるのかを理解しやすくなります。

読んでいただきありがとうございます。このメッセージはYoutubeでもご視聴いただけます。

参考資料:黙示録セミナー終末編 /オメガミニストリーズ•オメガバイブルスタディー、ハーベストタイムミニストリーズ/メッセージステーション 使用画像元: Pixabay, Unsplash By Cai Tjeenk Willink (Caitjeenk) – Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index…

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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