【聖書の終末預言⑰】 反キリスト「七つの頭と十本の角を持つ獣」(黙示録 17:7-13)

反キリストと七つの頭と十本の角を持つ獣
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はじめに

今日は、黙示録に出てくる「七つの頭と十本の角を持つ獣」について説明します。

最近はウイルスのパンデミックだけではなく、中東情勢もすごい勢いで変わっており、いよいよ世の終わりが近いと感じます。だからこそ、今、聖書の黙示録を読むことは大事です。黙示録には世の終わりに何が起こるかが、書いてあるからです。問題は、黙示録は難しいというイメージです。


今日取り上げる「七つの頭と十本の角を持つ獣」なんてフレーズも、一見やばめの神話です。しかし、これは比喩です。ユニコーンみたいな動物が宇宙からやってくるわけではありません。でも、ここで敬遠しては行けません。



聖書をしっかり知らないと、解釈によっては都市伝説が生まれ、もっと混乱しますが、聖書をしっかり学ぶならば、細かい解釈は分かれても、大方、多くの学者が一致している解釈を導き出すことは可能です。

このメッセージを読むと、 世の終わりに反キリストは、ヨーロッパ系かイスラム系として現れる可能性がある ということがわかります。もちろん明言することはできません。決めつけてしまうと、自分の考えていたのとは別のところから「反キリスト」が現れた時に、気づかないで惑わされる可能性があるからです。


最近は、聖書の終末預言シリーズという世の終わりについて聖書が何を言っているかだけにフォーカスを当てたYouTube動画をアップしています。「この世はこれからどうなるのか?」ということに対して少しでも興味のある方は、チャンネル登録をよろしくお願いします。

七つの頭と十本の角を持つ獣とは何を表すのか?

一言でいうと、 世の終わりに世界を独裁的に支配する反キリストです。 

今日は3つのポイントでお話しします。

A. 七つの頭

これはイスラエルを支配した7つの国をあらわしています。

7 すると、御使いは私に言った。「なぜ驚くのですか。私は、この女の秘められた意味と、この女を乗せている、七つの頭と十本の角を持つ獣の秘められた意味を、あなたに話しましょう。
8 あなたが見た獣は、昔はいたが、今はいません。やがて底知れぬ所から上って来ますが、滅びることになります。地に住む者たちで、世界の基が据えられたときからいのちの書に名が書き記されていない者たちは、その獣が昔はいたが今はおらず、やがて現れるのを見て驚くでしょう。
9 ここに、知恵のある考え方が必要です。七つの頭とは、この女が座している七つの山で、それは七人の王たちのことです。
10 五人はすでに倒れましたが、一人は今いて、もう一人はまだ来ていません。彼が来れば、しばらくとどまるはずです。

聖書(ヨハネの黙示録17:7-10)

ここでの「女」とは、大バビロンのことです。世の終わりに経済や政治的にも世界の中心となる国をあらわしています。これは中東のバビロンのことです。この終末の大バビロンに関してはまたの機会に取り上げます。

今日は7つの頭と10本の角、ここにフォーカスを当てて見ていきます。

7つの頭は比喩です。キングギドラのような怪物が来るという意味ではなくて、7つの頭を反キリストが持つというのは、7つの国の特徴を反キリストは持っています。7つの国とは何かというと、 イスラエルをかつて支配した国々です。 

リストにしてみました。

①エジプト(すでに倒れた)イスラエルを奴隷化
②アッシリア(すでに倒れた)BC 722年 北イスラエル捕囚
③バビロン(すでに倒れた)BC 586年 南ユダ捕囚
④メディア・ペルシャ(すでに倒れた)イスラエル植民地化
⑤ギリシャ(すでに倒れた)イスラエル植民地化
⑥ローマ(今いる※) イスラエル植民地化、イエスを十字架につけた
⑦イスラム諸国?(まだ来てない・しばらくとどまる※)パレスチナの地を最も長く支配している。
 

黙示録17章10節には「五人はすでに倒れましたが」とありますが、この五人とは最初の5つの国です。

エジプトはすでに倒れています。今もエジプトという国はありますが、当時の中東で猛威を振るい、イスラエルを支配したエジプトは影を潜めています。

2つ目の国はアッシリアです。アッシリアもすでに倒れました。地図上にありません。BC72年に北イスラエルを捕囚しました。植民地化ともいえるでしょう。

3つ目の国はバビロン、BC586年に南ユダを捕囚します。北イスラエルと南ユダと言いましたが、当時のイスラエルはソロモン王の後に分裂します。もともとは同じ国だったのですが、北イスラエルと南ユダに分かれます。
聖書の中でイスラエルとユダと出てきたときには、分裂王国の北と南のことをあらわします。

4つ目の国はメディアペルシャ、これもすでに倒れました。この国もイスラエルを植民地化しました。

5つ目はギリシャ、これもすでに倒れました。今のギリシャではなく、当時中東で猛威を振るいイスラエルを植民地化します。

そして6つ目の国がローマ帝国。この国もイスラエルを植民地化して、キリストを十字架にかけました。

五人はすでに倒れましたが、一人は今いて、もう一人はまだ来ていません。彼が来れば、しばらくとどまるはずです。

聖書(ヨハネの黙示録17:7-10)

「今いて」とありますが、2020年の今ではなく、黙示録が書かれた当時のことです。

黙示録を書いたのはヨハネで、彼が生きていたとき、イスラエルはローマ帝国の支配下にありました。イエス・キリストが十字架にかかった数十年後のことです。黙示録が書かれたのはAD90年くらい、今から約2000年前です。これらの言葉は、この預言のことばを受け取ったヨハネの立場で理解することが必要です。

7つ目の国はおそらくイスラム諸国です。10節に「まだ来ていないが、しばらく留まる」とあります。これは、2020年の現在から見るならば、もっとも近いのはイスラム諸国です。イスラエル人がヨーロッパやアメリカなど世界に散らばった後、この2000年間でイスラエル(パレスチナ)の土地に最も長く住んでいたのは、イスラム系の人々です。アラブ人です。実質、イスラエルがこの土地を支配していますが、内部にはパレスチナ自治区が存在し、周りの国はみなイスラム諸国です。



あまり知られていませんが、パレスチナ自治区ガザ地区からは定期的にミサイルが飛んできます。

イランの大統領は「イスラエルを地図から消し去るべき」と2005年に発言しました。なので、イスラム諸国である可能性が高いと思われます。

B. 反キリストは7つの国から出現する

また、昔はいたが今はいないあの獣は八番目の王ですが、七人のうちの一人でもあり、滅
びることになります。

聖書(ヨハネの黙示録 17:11)

黙示録で「獣」と出てきたら、基本的には世の終わりに出現する独裁者の反キリストだと思ってください。例外的に、もう一匹の獣として偽預言者が出てくるケースがあります。

今日の箇所では、反キリストが誰であるかのヒントが2つ出てきます。
「八番目でもあり」 「七人のうちのひとり」
 →これはどういう意味でしょうか?

「八番目でもあり」 とは、今までの国々よりも強い支配者であることを示しています。反キリストはイスラエルを含む全世界を支配します。
「七人のうちのひとり」 とは、先ほどのリストの①~⑦の国から出現するという意味か、①~⑦の国の性質を持っているとも解釈できます。①~⑦の国から出現すると解釈するならば、①~⑤の国はすでに倒れているので、おそらくローマかイスラム諸国かとおもわれます。

C. 十本の角=反キリストと1年間支配する10人の指導者たち

12 あなたが見た十本の角は十人の王たちです。彼らはまだ王権を受けていませんが、獣とともに、一時だけ王としての権威を受けます。
13 これらの王たちは一つ思いとなり、自分たちの力と権威をその獣に委ねます。

聖書(ヨハネの黙示録17:12-13)


十本の角は「十人の王たち」とあります。
「十人の王たち」は終末に世界を支配する指導者たちです。

獣と共にとは、反キリストとと一緒にという意味です。
「一時」は1年のことです。

「これらの王たちは一つ思いとなり、自分たちの力と権威をその獣に委ねます。」とは、10人の王たちが、反キリストに権威を与えるという意味です。なんとか連合で10人の国の指導者が、反キリストをリーダーに推薦するのでしょうか。しかし、なぜ、「一時」たった1年なのでしょうか?

それは、権威を与えられた反キリストは、10人の王を支配下に置き、独裁的になるからです。

まとめ

七つの頭と十本の角を持つ獣とは何を表すのか?
 世の終わりに世界を独裁的に支配する反キリストです。 

世の終わりに反キリストは、ヨーロッパ系かイスラム系として現れる可能性があるということです。明言されていませんので、決めつけはよくありません。決めつけてしまうと、自分の考えていたのとは別のところから「反キリスト」が現れた時に、気づかないで惑わされる可能性があるからです。

特に、「反キリストは〇〇だ」と決めつける都市伝説からは距離を置きましょう。聖書が言っていることだけに焦点を当て、聖書で明言されていない、つまり、解釈が分かれるところは、あまり深入りしない方が良いのです。


読んでくださってありがとうございました!次回も、反キリストについてお話しします。

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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