【人生を変える聖書のメッセージ#29】信仰を継承するには?「子供ではなく◯◯が大事」申命記11章1-7節

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はじめに

2018年に千葉で行われた東アジアキリスト者大会に参加してきました。
日曜は、日本の実行委員の1人である先生の牧会している綾瀬東部教会の礼拝に参加してきました。

午後に、教会の献身礼拝があり、そこでメッセージをする恵みに預かりましたが、その後、青年たちと交わる機会を持つことができました。
そのほとんどがクリスチャン二世でしたが、クリスチャン二世だからこその葛藤や苦しみを聞くことができました。

みんな理想のクリスチャンと現実の自分とのギャップでもがいていました。

どの教会でも若者の教会離れがいちじるしいそうです。
韓国の教会でも、それは大きな祈りの課題です。

これは、他人事ではなく、私たちの教会でも同じではないでしょうか?

現代の教会が、信仰の継承を課題としているように、イスラエルにおいても、いつも信仰の継承は大重要事項でした。

「申命」とは「再び新しく与えられた戒め」という意味です。
モーセが死ぬ前に、モアブの草原で語った告別の説教だとも言うことができるでしょう。
不従順な出エジプト世代の民は、ヨシュアとカレブを除いて全員、荒野で死にます。

ですから申命記の頃にはイスラエルの民のメンバーは完全に入れ替わっていたということです。
出エジプトの当時は20歳以下で数に入らなかった子どもたちと、荒野で生まれた新しい世代です。

モーセは、出エジプト後40年間、神様が働かれた内容をふりかえり、 この新しい世代を教育する必要性を感じて語った説教。
それが、申命記だとも言えます。

今日の11章は、申命記で何度も、何度も語られて来たフレーズから始まります。

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何を継承するのか?

あなたはあなたの神、【主】を愛し、いつも、主の戒めと、おきてと、定めと、命令とを守りなさい。

聖書(申命記11:1)

神様は、モーセを通して、「あなたは」と問いかけます。
アラム語聖書には、「あなた方」と書いています。
文脈を見ると、明らかにイスラエル民族に語られたものですが、
「あなた」とまるで1人の人として語りかけているのは、イスラエルを1人の人として見ているからです。

個人の信仰だけではなく、共同体としてその信仰が継承されるかに焦点が当たっているからです。

そして、

あなたはあなたの神、【主】を愛し、いつも、主の戒めと、おきてと、定めと、命令とを守りなさい。

聖書(申命記11:1)

主を愛し
いつも、みことばを守ること。
それが、大切だ!と言っています。

主を愛し、いつもみことばを守ること。
これは、言い換えれば、神を愛し、隣人を愛することです。
なぜなら、律法を守ることは、隣人を大事にすること、つまりお互いに愛し合うことに繋がるからです。

イエス様も言いました。

36 「先生。律法の中で、たいせつな戒めはどれですか。」
37 そこで、イエスは彼に言われた。「『心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』
38 これがたいせつな第一の戒めです。
39 『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ』という第二の戒めも、それと同じようにたいせつです。
40 律法全体と預言者とが、この二つの戒めにかかっているのです。」

聖書(マタイ 22:36-40)

律法の中で最も大切なことは、2つ。
神を愛し、隣人を愛すること。

つまり、何を次世代に継承するのか?
それは、申命記にも、何度も繰り返されていることです。

「愛すること」を継承する。

どのように継承すればよいのか?

では、どのように継承すれば良いのか?

4 聞きなさい。イスラエル。【主】は私たちの神。【主】はただひとりである。
5 心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、【主】を愛しなさい。
6 私がきょう、あなたに命じるこれらのことばを、あなたの心に刻みなさい。
7 これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家にすわっているときも、道を歩くときも、寝るときも、起きるときも、これを唱えなさい。

聖書(申命記6:4-7)

どのように継承すれば良いのか?
教え込むことです。
イスラエルは、まず父親が家庭の中で、子供に聖書を教えてきました。

信仰は、勝手に継承されません。勝手に継承されるなら申命記は必要ありません。

今日の箇所には信仰継承においての、継承する側の重要性が書かれています。

きょう、知りなさい。私が語るのは、あなたがたの子どもたちにではない。彼らはあなたがたの神、【主】の訓練、主の偉大さ、その力強い御手、伸べられた腕、そのしるしとみわざを経験も、目撃もしなかった。

聖書(申命記11:2)

今日、知りなさい!

今日、知りなさい!
誰が、知るのか?
神様は、継承される子供たちではなく、継承する親世代に語っていると言うことです。

私が語るのは、 あなたがたの子どもたちにではない。
まず、継承する側のあなたたちが、しっかりしなさいということです。

これが、今日、私たちが受け取りたい信仰の継承の鍵です。

ここで言う子供たちとは、荒野で生まれた第三世代です。
第一世代は、出エジプトを経験しましたが、主への不従順が原因で荒野で滅ぼされてしまいました。
第二世代は、出エジプトの時に、20歳未満だった人です。それから40年が経っているので、第二世代の年長者は59歳です。

申命記は、主にこの第二世代に向けて書かれています。
そして、この第二世代は、子供の時だったとはいえ、出エジプトを親とともに体験した世代です。

その第二世代に、神様は言われているのです。

きょう、知りなさい。私が語るのは、あなたがたの子どもたちにではない。彼らはあなたがたの神、【主】の訓練、主の偉大さ、その力強い御手、伸べられた腕、そのしるしとみわざを経験も、目撃もしなかった。

聖書(申命記11:2)

あなたたちの子供たちは、出エジプトの奇跡を知らない。
あなたたちは、40年前は子供であったが、確かに奇跡を体験した。

「知りなさい」と言うヘブル語は、ヤダーです。
ヤダーは、体験を通して知ると言う意味で、
英語の聖書では、「思い出しなさい」と訳されています。

つまり、神様は、「あなた方は体験したではないか?」
「そのことを忘れないで、思い出し、心に留めなさい」と言われているのです。

何を思い出せと言われているのかは、3節以降に書かれています。

3 これらはエジプトで、エジプトの王パロとその全土に対してなさったこと、
4 また、エジプトの軍勢とその馬と戦車とに対してなさったことである。−−彼らがあなたがたのあとを追って来たとき、葦の海の水を彼らの上にあふれさせ、【主】はこれを滅ぼして、 今日に至っている−−
5 また、あなたがたがこの所に来るまで、荒野であなたがたのためになさったこと、
6 また、ルベンの子エリアブの子であるダタンとアビラムに対してなさったことである。イスラエルのすべての人々のただ中で、地はその口をあけ、彼らとその家族、その天幕、また彼らにつくすべての生き物をのみこんだ。

聖書(申命記11:3-6)

神様は、四つのことを思い出せと言っておられます。

  1. エジプトでパロにした10の奇跡。
  2. 紅海が追ってくるエジプトの兵隊を滅ぼした奇跡。
  3. 荒野の40年の奇跡。
  4. エリアブとアビラムとは、コラの反逆に関わった2人です。彼らは地面が裂けて飲み込まれました。

そして、なんと言っていますか?

これら【主】がなされた偉大なみわざのすべてをその目で見たのは、あなたがたである。

聖書(申命記11:7)

新会堂が建てられた裏話

私の母教会で現在の会堂が建てられた時、私は2歳だったので、実はどのような奇跡や導きがあってこの新会堂が建てられたのか見ていません。

多くの兄弟姉妹たちの献身と祈りがあったことは想像に難くないのですが、その時代を通っていない世代が増えているのも事実です。

当時の会計の方が言っていたそうですが、
新会堂が建てられた時に、必要な融資額は1億を超えていたそうです。
でも、色々な銀行に融資をお願いしていても、なかなかどこも貸してくれなかったそうです。
そんな中、貸してくれたのが、この銀行だったそうです。

この銀行。
現、三菱UFJ信託銀行。

そうです。私の入社した銀行です。
信託は一部の大企業にしか融資しないので、母教会に融資したのは奇跡です。
当時の札幌支店支店長がクリスチャンで、便宜を図ってくれたと聞きました。
その支店長はクリスチャンで母教会に客員として通っていたとも聞きました。

その20数年後に、私がこの銀行に導かれ、福音を伝えたのは神様の恩返しだと思いました。

母教会での学び

私がその銀行に入社する前に、母教会の創立者、三橋萬利先生の奥様の幸子先生と聖書の学びをしていました。

私は母のまっすぐな信仰と熱心な祈り、それに答えられる神様の恵みを見て育ってきましたが、
大学時代の幸子先生との一対一の学びによって、信仰が大きく成長したと思います。

創世記2章の結婚の奥義の話。
三橋萬利先生との結婚の証。
神学校時代の証、鶏が卵を産むように祈ったとか、開拓時の厳しい試練。
そして、必ず北国にかける愛のビデオを見させられます。

神様がどのように導いてくださったか。
御言葉の通り、真実なお方であるか。
愛に満ちたお方であるか。

幸子先生は、主のみわざを忘れずに心に刻み、その証を次世代に教えてくださるのです。

神様は、モーセを通して、私が出エジプトや荒野でした一つ一つのことを心に刻みなさいと言われたように、
これは若者にとって一番大切なことです。

しかも、話だけではありません。
幸子先生の生き方そのものが、神を愛し、隣人を愛する証です。
幸子先生と何度、泣きながら罪を悔い改める祈りをしたかわかりません。
それほど、一緒に寄り添い、私の幼い信仰を大事に養ってくださいました。

やはり、体験した神の偉大なみわざを証し、実生活の中で【主】を愛し、 いつも、 主の戒めと、 おきてと、 定めと、 命令とを守っている姿はインパクトがあります。
信仰の継承は、そのような証人としての生き方を通してなされるのです。

しかし、三橋萬利先生や幸子先生のように生きなければと自分と比較してしまうと一気にハードルが高くなります。

でも、比較する必要はありません。
私たちの人生でみわざを成される神様を等身大で伝えればいいのです。
そして、どれだけ「上手く愛せたか」ではなく、諦めないで「愛し続ける」姿が大切です。

夫婦喧嘩をする牧師

実は、2018年に千葉で行われた東アジアキリスト者大会が終わった土曜の夜に、私は夫婦げんかをしました。

些細なことでしたが、次の日はメッセージだし、どうしようかと思いました。

しかし、一番の問題は、この喧嘩を一緒に、大会に来ていた母教会の中学生が全て見ていたということです。
大会の前後は、母教会の中学生と現地の教会の施設に滞在していました。

部屋はふすまを隔てて隣です。
その空気感と言葉はその中学生に筒抜でした。

まあ、日曜の礼拝の前には和解し、神の恵みによって日曜のメッセージも恵まれました。
ただ、その中学生の前では、何も隠せませんでした。
これが牧師夫婦の現実です。としか言えません。

これは私が勝手に解釈しているのですが、喧嘩して仲直りする姿をライブで見せてから、その中学生との距離が近づいた気がしました。

講壇からメッセージを語ることも大切ですが、24時間一緒に生活して、喧嘩しても、仲直りして愛し合おうとする姿を見せることが一番の証になるのかなと思いました。
もし、その中学生が私を見てつまづいていたら、ごめんなさい。

まとめ

今日、主が私たちに語っておられるみことばにもう一度心を向けましょう。
信仰の継承はどのようになされるのか?

それは、まず継承する私たちが、実生活の中で、
【主】を愛し、いつも、主の戒めと、おきてと、定めと、命令を守ることが重要です。

そして、主の戒め、おきて、定め、命令とは、神を愛し、隣人を愛することです。

私たちは、お互いにいいところばかり見せなくてもいいんです。
失敗を見せてもいいんです。喧嘩しているところを見せてもいいんです。

それでもイエス様を愛して、悔い改め、赦しあって、諦めないで、生きることが大切です。

そして、そのためには、私たちの人生を通して神様がしてくださったみわざを、思い出し、心に刻み込むことが大事です。
イスラエルの民をエジプトから連れ出したように、私たちもまた、イエス様に救い出され、イエス様の愛を受けているからです。

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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