【聖書の終末預言⑮】 反キリストと4つの獣の意味「イスラエルを支配した国々」(ダニエル書 7:4-8、黙示録13:1-2)

反キリストと4つの獣
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はじめに

今日は、聖書に出てくる獣が「反キリスト」を表していることを説明します。

ダニエル書や黙示録を読むと、「第一の獣」だとか、「第四の獣」だとか、ちょっとよくわからない例えみたいのが出てきます。正直こんがらがりますよね。これらは歴史を通してイスラエルを支配した国々を表しているのですが、バビロンだの、ペルシャだの、ギリシャだのと言われても歴史が苦手だと余計こんがらがりませんか?
僕は歴史が苦手なので、聖書にいろんな国が出てくるのがしんどかったです。しかも聖書は時系列で書かれていないので、時代が交錯するのでもっと分かりづらいですよね。



でもこのメッセージを読むと、 4つの獣から歴代にイスラエルを支配した4つの国を時系列で整理できます。 しかも、その流れで終末の「反キリストの登場」までカバーします。今日は、「4つの獣」にだけ焦点を当てます。これらをちゃんと整理すると、世の終わりだけではなくて、聖書全体がもっと理解できるようになります。

最近は、聖書の終末預言シリーズという世の終わりについて聖書が何を言っているかだけにフォーカスを当てたYouTube動画をアップしています。「この世はこれからどうなるのか?」ということに対して少しでも興味のある方は、チャンネル登録をよろしくお願いします。

4つの獣の意味は何なのか?

 今日の結論は一言でいうと、これらは、歴史を通して、イスラエルを支配した国々であり、4番目の獣は反キリストを表します。 

今日は順番に4つのポイントでお話しします。

① バビロン(第1の獣:獅子)ダニエル7:4

第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。見ていると、その翼は抜き取られ、地から身を起こされて人間のように二本の足で立ち、人間の心が与えられた。

聖書(ダニエル書7:4)


鷲の翼をつけているライオンは、バビロンです。後にバビロンを支配したメディア・ペルシャのダリヨス王の宮殿にはバビロンを象徴とする絵が描かれていました。



バビロンはイスラエルを支配しました。時期的には、ちょうどこの預言を受けたダニエルがいた時代です。
「バビロン捕囚」という言葉聞いたことありませんか?捕囚とは戦争に負けて、捕虜として敵国に連れて行かれることです。BC 586年にイスラエル(正確に言うと南ユダ)はバビロンに負けて植民地になります。

ちょっと、ここは大切なので補足します。聖書を読んでいて、大切な年号が2つあります。
BC 722:アッシリアに北イスラエルが滅ぼされます。
BC 586:バビロンに南ユダが滅ぼされます。


なぜ、北と南に分かれているのかというと、ダビデ王の息子ソロモンが死んだ後に、イスラエルは分裂して北と南に分かれてしまうからです。聖書で言うと、列王記とか歴代誌の途中から国が分かれていきます。でも、当時の中東で絶対的な強さを誇っていたアッシリアとバビロンによって、2度に渡ってイスラエルは滅びます。

つまり、このダニエル書の主人公のダニエルはユダヤ人で、小さい頃にバビロンに連れていかれた青年だったということです。

② メディヤ・ペルシャ(第2の獣:熊)ダニエル7:5

すると見よ、熊に似た別の第二の獣が現れた。その獣は横向きに寝ていて、その口の牙の間には三本の肋骨があった。すると、それに『起き上がって、多くの肉を食らえ』との声がかかった。

聖書(ダニエル書7:5)

バビロンの次には、ペルシャとメディア連合軍がイスラエルを支配しました。聖書では、エステル記、エズラ記、ネヘミヤ記に書いてあります。エステルは、ユダヤ人の孤児であり、舞台はペルシャ王国です。

なぜ、ペルシャ王国なのでしょう?

その時代は、中東をバビロンではなく、ペルシャが征服していたからです。こうやって見ると、イスラエルと言う国は、次々にいろいろな国に吸収されていっていますね。

「その獣は横向きに寝ていて」
ペルシャの方がメディアよりも強かったので、アンバランスであることを表しています。

「その口の牙の間には三本の肋骨があった」
これはメディア・ペルシャが支配した、リディア、バビロン、エジプトを象徴。ダニエルの時代に猛威を振るっていたバビロンは飲み込まれています。

③ ギリシャ(第3の獣:豹)ダニエル7:6

その後、見ていると、なんと、豹のような別の獣が現れた。その背には四つの鳥の翼があり、その獣には四つの頭があった。そしてそれに主権が与えられた。

聖書(ダニエル書7:6)


「四つの鳥の翼と四つの頭」はアレキサンダー大王と彼に従う4人の将軍を表しています。この4人の将軍は、アレキサンダー大王の死後、各地域を修めました。カッサンドロスはマケドニヤ、リュシマコスはアナトリア、セレウコスはシリヤ・メソポタミヤ、プトレマイオスはエジプトをそれぞれ支配しました。


ギリシャがイスラエルを治めた期間は、旧約聖書最後のマラキ書と新約聖書の最初のマタイの福音書の間の400年に起こった出来事です。なので、聖書には直接は出てきません。

新約聖書、イエスキリストが登場する時は、ギリシャの次に支配したローマ帝国です。

④ ローマ帝国と反キリスト(第4の獣:???)ダニエル7:7-8、黙示録13:1-2

7 その後また夜の幻を見ていると、なんと、第四の獣が現れた。それは恐ろしくて不気味で、非常に強かった。大きな鉄の牙を持っていて、食らってはかみ砕き、その残りを足で踏みつけていた。これは前に現れたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。
8 私がその角を注意深く見ていると、なんと、その間から、もう一本の小さな角が出て来て、その角のために、初めの角のうち三本が引き抜かれた。よく見ると、この角には人間の目のような目があり、大言壮語する口があった。

聖書(ダニエル書7:8)


これは、 新約聖書を通してイスラエルを支配するローマ帝国です 。8節の「もう一本の小さな角が出て来て」とは反キリストを表しています。イスラエルを徹底的に迫害する皇帝ネロとの解釈できますが、この第4の獣は今はなきローマ帝国だけではありません。これは、終末に生まれる反キリストをも示しています。

なぜか?黙示録にそのヒントが書かれているからです。

1 また私は、海から一頭の獣が上って来るのを見た。これには十本の角と七つの頭があった。その角には十の王冠があり、その頭には神を冒瀆する様々な名があった。
2 私が見たその獣は豹に似ていて、足は熊の足のよう、口は獅子の口のようであった。竜はこの獣に、自分の力と自分の王座と大きな権威を与えた。

聖書(ヨハネの黙示録13:1-2)


海から獣が上がってくる。これは、第4の獣です。その獣は、獅子、熊、豹の特徴を持っている。つまり、先ほど説明した、獅子(バビロン)、熊 (メディヤ・ペルシャ)、豹(ギリシャ)のすべての性質を兼ね備えたのが反キリストだということです。

10本の角と7つの頭(黙示録12:3に出てくるサタンと同じ)とありますが、
「十本の角」は、反キリストと共に世界を支配する10人の王たち。
「七つの頭」は、イスラエルを支配した7つの国々と支配者であると考えられます。
「神をけがす名」はサタンと同じ性質です。

竜とはサタンのことです。つまり、反キリストはサタンの力によって、イスラエルを迫害し、この世を独裁的に支配するということです。

ちなみに、黙示録13:11に、別の獣が出てきますが、それはにせ預言者のことで反キリストではありません。

また私は、別の獣が地から上って来るのを見た。それは、子羊の角に似た二本の角を持
ち、竜が語るように語っていた。

聖書(ヨハネの黙示録13:11)

なぜ、獣が2匹?これは、神の三位一体を真似した、サタンの三位一体を表しています。
竜(サタン)、獣(反キリスト)、別の獣(にせ預言者)。
父、子、聖霊を真似しています。

やはり、サタンは、本物の模倣し、騙すのが得意なようです。

まとめ

4つの獣の意味は何なのか?

 これらは、歴史を通して、イスラエルを支配した国々であり、4番目の獣は反キリストを表します。 

①バビロン(第1の獣:獅子)ダニエル7:4
  聖書でいうと?→ダニエル書、預言書の一部(エレミヤ書、エゼキエル書など)
②メディヤ・ペルシャ(第2の獣:熊)ダニエル7:5
  聖書でいうと?→エステル記、エズラ記、ネヘミヤ記、預言書の一部(ゼカリヤ書、ハガイ書、マラキ書)
③ギリシャ(第3の獣:仾)ダニエル7:6
  聖書でいうと?→出てこない。旧約と新約の間の中間時代。
④ローマ帝国と反キリスト(第4の獣:???)ダニエル7:7-8、黙示録13:1-2
  聖書でいうと?→新約聖書全部

特に、黙示録には、第4の獣である反キリストに焦点が当てられていますので、獣=反キリストと理解するとわかりやすくなります。

読んでくださって、ありがとうございました!次回も、反キリストについてお話しします。

このメッセージはYoutubeでもご視聴いただけます。↓↓↓

参考資料:イスラエルセミナー終末編/オメガミニストリーズ・オメガバイブルスタディー
使用画像元: Pixabay, Unsplash ・By Rictor Norton – https///www.flickr.com/photos/24065742@N00/151247206/, CC BY 2.0, https///commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1409322
・Ssolbergj – The vexilloid of the Roman Empire was a red banner with the letters SPQR in Gold surrounded by a gold wreath hung on a military standard topped by a Roman eagle or an image of the goddess Victoria made of silver or bronze.[1][2][3][4], CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index…
・Sodacan – 投稿者自身による作品, Based on: [1], CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index…
・[ZIBBCOT] Winged lion on wall at palace of Darius Erich Lessing/Art Resource, NY, courtesy of the Louvre

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この記事を書いた人

牧師。ライフコーチ。
1985年札幌で生まれる。小樽商科大学を卒業後、三菱UFJ信託銀行で3年間勤務。関西聖書学院(KBI)で1年間聖書を学ぶ。CCC(Campus Crusade for Christ)短期宣教を通じて出会った、当時CCC専任スタッフのク・ソンリムと2012年に結婚。2013年から3年間ソウル・オリュン教会日本語礼拝部伝道師として仕えつつ、トーチ・トリニティ神学大学院英語コース修士課程(Torch Trinity Graduate University/Master of Divinity)を修める。2016年から3年間、母教会札幌キリスト福音館で牧師として仕えた後、2019年より、札幌ガーデンチャーチを開拓。

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